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西室院から園児募集まで

2023.09.01
西 室 院 か ら 園 児 募 集 ま で

 8月26日、高野山西室院、うす暗い本堂、静かな張り詰めた空気の中で、ご住職の凛とした読経の声が静寂の中で響き渡っている。今日は美木多幼稚園初代園長が鬼籍に入った日、そして25年が過ぎ去った。久しぶりの高野山、何年かぶりの西室院、来てよかった。率直な感想。母親が園長であった時、美木多幼稚園はマンモス幼稚園と言われていた。今は中堅規模になったが、関係する皆さんが力を合わせ、努力して幼児教育に必死に取り組んでいることを報告し、全てのことは「園児の幸せのために」の理念を受け継いでいることを伝えた。
西室院は奥の院の少し手前にある高野山別格本山であり、この日は京都洛南高校の生徒たちが夏季の林間学習をこの寺で行っていた。なぜかこの日(土)は交通量が少なく、参拝客も思ったほど多くなかった。1000m級の山々に囲まれたこの盆地は大阪と比較すると気温が明らかに低く過ごしやすさを感じた。冬と夏とではどちらがいい?何回ともなく問いかけ、問いかけられた陳腐な質問。今年であれば躊躇なく冬と答えるであろう。それほど今年の夏は異常に暑い。明らかに昔と異なっている。
私は今も同じ場所に住んでいる。少年時代は団扇で涼をとり、流れゆく風を感じればそれで充分涼しかった。藁ぶきの家であったがそのままうたた寝してしまうと寝冷えをする位にまで気温が下がった。夜も扉を閉ざすことはなかった。人が人を信頼していた。ただ蚊や虫を避けるために蚊帳を吊った時は暑くて寝苦しかった思い出がある。
ある時ネズミが蚊帳の中に入ってきて、出口がなく、蚊帳の中を走り回っていたのが今ではおかしい思い出になっている。そんな時に病気になれば、木製の冷蔵庫に氷があればそれで冷やすか、冷たい井戸水を絞って額にのせるだけだった。
そんな時よりももっと前、精神的、肉体的に病んで、生きることに絶望し、死に場所を探しに旅に出た学生がいた。ある時遍路と薬売りと偶然同じ部屋宿に泊まった。何日か逗留している間に、病にかかり、薬売りに薬をいただくが遍路に薬代もないことを伝えた。その時遍路が「おぬしは飲めばよい」「おぬし、金などどうでもなることじゃ。おぬしに金のないことぐらい、わしらにはようわかっておることじゃ。わしらの眼は節穴じゃないものな」「のうおぬし、いきることは辛いものじゃが、いきておる方がなんぼよいことか」とぽつんと言った。
この言葉は遍路の人生哲学だったのでしょう。一方薬売りは別れ際に「学生さんよ、治ってよかったのう。生命は粗末にせられんぜよ」また続けて「薬の金がいるもんか、おぬしはそれを心配して薬をのもうとせなんだつうが、そんな気兼ねをするで死にとうならあね」
この二人の言葉は人生のあらゆる辛酸をなめつくした壮絶な体験からうまれたのでしょう。その場限りの都会の経営者の姿、上辺だけの乾いた人間関係と安宿で感じた素朴で温かい人間関係が見事に対象となっているのでしょう。
一万人も志願者が押し寄せるという埼玉栄東高校の校長先生の話。
1. 守りに入ってしまえば前に進めないし、発展もない。たとえ間違っているとしても、とにかく前に進んでいく。
2. 課題を解決するためには「何」が必要なのかをまず設定し、スピード感をもって解決へと突き進む。
3. さまざまな人たちと出逢い助けられてきた。また様々な環境に身を置くことで、自分自身の考え方や生き方が変化してきた。
4. 自分なりの「居甲斐」を見つけ、多様な価値観を認め合える出逢いと学びの場をこれからも提供していく。
5. 今は何が起こるかわからない不透明な時代、知識や学歴以上に、立ち上がって次に進める人間、学んだことを知恵に変え、自分の信じる道を極められる人間になる。
6. 世の中には本当に無駄なことは一つもありません。一見無駄だと思われること、つまらない事にこそ可能性を感じ、目標に向かって日々倦むことなく愚直に努力と挑戦をかさねていくことから、生きる力、他人を思いやる心、ひいては総合的な人間力が養われていく。
少子化の影響ばかりではないですが、幼稚園を取り巻く環境は過去50年間のうちで危機的状態になってきました。中でも株式会社の経営する園では廃園、他企業・法人への譲渡が行われ、法人間の統合も出てきました。しかし私たちはどんなに苦しくても地域に子供たちがいる限り、生き残り、地域から必要とされる幼児教育センター、幼稚園を目指していきます。
9月1日から募集要項配布、10月1日から願書受付です。私たちは保護者の皆様に寄り添い、期待に応える幼稚園、子どもたちの認知能力でも非認知能力でも、その能力が大きく伸びる幼稚園を目指して教職員一同力を合わせて取り組んでまいります。誠に恐縮ですが、ご近所、お知り合いの方にもお勧めしていただきますようお願いいたします。
いよいよ二学期、楽しい行事が目白押しです。子どもたちの頑張る姿、それを支える先生方の必死の姿、どうぞご期待ください。

暑さを超えて

2023.07.20
暑さを超えて


猛暑、猛暑と言っても涼しくなるわけではない。それでも暑いと言いたくなる。日本独特の蒸し暑さが続いています。たとえ40度を超えたとしても、日陰に入ると涼しく感じる国々と違って、海に囲まれた湿度の多いせいだろうか。しかし乾燥した国と湿気の多い国ではそれぞれのいい所とそうでないところ所もあるので、一概にどちらがいいとも言えないのが悩ましい。    

毎日決まった時間に大雨が降るブラジルやいつも傘やパーカーを用意しなければいけないイギリス、どの国にも天候にまつわる悩みや憂いがある。梅雨のひと時、こんなことを考えていると「コロナ禍で5歳児に4か月の発達の遅れ、施設閉鎖やマスク着用が影響か」のニュースが飛び込んできた。幼稚園ではなくて東京都の認可保育所の話。京大や筑波大の研究チームによると「三つ子の魂百まで」のこの社会性を身に着ける時期、保護者以外の大人や子供と交流する機会が減ったことが要因と考えられる一方、1から3歳児でコロナ禍を経験した3歳児にはそうした傾向はみられなかった。

運動や言語理解など9つの領域を130項目以上で評価し、その分析結果によると、5歳児ではコロナ禍経験群は未経験群と比較して、4.39か月の遅れがあった。特に大人に対する社会性やしつけの分野で遅れが目立った。一方3歳児では発達の遅れは明確に見られず、逆にコロナ禍を経験した群のほうが大人に対する社会性や概念の理解について発達が進んでいる傾向があった。これは一対一の交流が重要な13歳の時期にコロナ禍で保護者と過ごす時間が増えたことが発達によい影響を与えた可能性がある。5歳児の発達の遅れについては今後の十分な支援で挽回は可能だとの見方を示す一方、影響が長期的に及ぶかどうかはさらに追跡調査をしていく必要があると報告されている。

この傾向は特に5歳児に限ったことではなく、小学校教育に携わっている教員からも小学生の学力が着実に低下しているとの指摘があった。このことがよく言われている学力などの認知能力だけでなく、意欲、協調、仲間意識、やり遂げようとする力などの非認知能力にも影響があるのかどうか、私たちも大きな関心をもって見ていきたい。私たちは幼小の連携を視野に学力の向上を目指し、自信をもって子どもたちを小学校に送り届けたい。私たちが幼稚園で行ってきた保育・教育活動は決して保護者の皆様の期待を裏切らないものだったと思っています。

さて、この文章を書いているのは714日です。この日は私たちが学校で学び、歴史の試験にも何回も出題された1789年のフランス、バスチーユ監獄襲撃の日、というかフランス革命勃発の日、現代でもラテン系のフランスの熱しやすい言動はしばしばニュースとなって新聞紙上の大きな見出しになっている。フランスではこの日はお祭り騒ぎ、次の日から大方の人はバカンスに行ってしまう。パリに残る人はほとんど外国人だとか。

幼稚園でも夏休みが目前です。今年はコロナの影響も少なくなり、ご家庭でもいろいろ計画されているかと思います。小さい時の経験は具体的に子どもたちの発達・成長にどのような影響を及ぼすかは別として、子どもたちの頭の片隅に又心のどこかに忘れない思い出として残っていくことでしょう。二学期が始まるときには元気いっぱい、日焼けした姿で戻ってきて欲しい。切なるお願いです。しばらくのお別れです。

9月 令和6年度入園説明会のお知らせ

2023.07.20
令和5年 9月2日(土)に令和6年度 認定こども園 諏訪森幼稚園入園説明会を
本園にて行います。

時間:●0~2歳児対象 13:00~13:30
   (受付時間:12:30~12:50)
   ●3~5歳児対象 14:00~15:00
   (受付時間:13:30~13:50)

持ち物:上履き・下靴を入れる袋
(マスクの着用は保護者の方の判断にお任せします)

詳細は下記リンクから、またトップページの『各種書類』の『令和6年度 入園説明会』からもご覧いただけます。ご興味のある方は是非お友達をお誘いあわせの上、お越しください。

詳細はこちら(リンク付き)
(※参加事前申し込みは不要ですが、駐車場・こども預かりをご利用になる際はメールフォームより、必ずそれぞれ必要なお申込みをよろしくお願いします。)
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