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艱難に感謝

2020.08.01


 8月、葉月、夏の盛り、いつもであれば夏休み、海に、山に、旅行に,帰省にと汗をかいている真っ最中、今年は収束しかけたコロナが息を吹き返し、大きな脅威となって私達に迫ってきた。人はインフルエンザのようなものだから過度に怖がることはないと言うが、最初の報道が事実を伝えたのか、誇張して伝えたのかは知らないが、死の恐怖が付きまとう新型コロナには例外なく誰もおびえている。正しくおびえ、正しく怖がることは絶対必要なことであり、その為には冷静で、沈着な行動様式が望まれる。若者は軽く済むからと言って、無謀な行動を繰り返すと、家族の高齢者に大きな負担をかける。みんな同じ地球の乗組員、助け合い、協力し合って安全航海をしなければいけない。しかしながらある意味、トリアージ(triage)とも言えるのでしょうか。そして皆様はどう思われますか。フランスやスペイン、イギリス等の欧州諸国は限りある医療資源を有効活用するために、トリアージ(治療の優先順位)によって分類している。例えば75歳以上の人には積極的な治療や有効な医療器具の使用を行わず、若い人の命を優先して助けていく。又、日本では80歳、90歳以上の高齢者にも保険医療から何千万円の医療費を使うこともある。そのほとんど99%を保険(税金)で負担する。治療してもあと何年生きながらえるのか。このことについて、疑問視している医師も沢山いるだろう。年齢に関係なく人の命は重い。最大限の敬意を払うべきだと考える人から見れば、それは理にかなった正当な治療行為だろう。しかし、限りある資金や資源を考えればと思う人もいるかもしれない。コロナによって人の命の重さが再認識され、これは私達の避けて通れない問題である。1%の大金持ちが20%の富を独占し、国民健康保険がないアメリカでは人の命は金次第、そしてファーベラ〈貧民街〉のあるブラジルでは貧困層の感染がすさまじい。そんな中で日本電産の社長がピンチはチャンスだといって、M&A(合併、買収)によって会社を次々と買収していった。そしてそのほとんどを3Q6Sの標語の下に結束し、大きな成果を上げた。3Qとはquality worker,良い社員、quality company,良い会社、quality product,良い製品であり、6Sとは整理(いつもきっちり片付けられた職場)整頓(いつも全てのものが使いやすい職場)清掃(いつも汚れのないすがすがしい職場)清潔(身だしなみのさっぱりした社員)作法(正しい行動ができる社員)躾(決められたとおり正しく実行できるよう習慣付けられる社員)。
コロナは邪魔で忌まわしい存在だが、考えによってはいいことがあるかもしれない。明治、大正、昭和を駆け抜けた有名なキリスト教者で評論家の内村鑑三は様々なたとえをあげて、「艱難に感謝する」と言った。苦労をし、挫折を経験してこそ、人は成長し、成功体験も大きなものになると述べている。成る程、コロナショックはリーマンショックを上回るものだろうし、私自身こんな一つの小さなウィルスが人類を恐怖に陥れ、世界経済を麻痺させ、軍事大国や経済大国の威信を低下させるとはまったくの驚きであった。何も武器やお金は要らない。小さなウィルスだけで世界を征服できると思うと空恐ろしい気持ちになる。よく世間では、この世で起きたことはどんなことでもこの世で解決できると人は言う。まさに私達の英知を結集すれば、このコロナ問題も過去の遺物として、解決されることになるだろう。それは今に始まったことでないが、近頃の若い者はと年配者はよく言う。特に60歳を過ぎると、又、スポーツ関係者において、特によくそんな言葉が発せられる。しかし、今の世界の困難、日本の苦境を切り開き、解決できるのはそんな若い世代の人々だ。10年後、20年後のリーダーとして、今の幼稚園児が活躍しているかもしれない。期待と夢を膨らませながら、真夏の8月を乗り切っていきましょう。
二学期には様々な大きな行事を予定し、今そのための準備や練習の最中ですが、コロナ感染の拡がりで非常に流動的です。その都度的確な情報をお伝えしてまいります。

諦観と希望

2020.07.01


 7月文月が始まりました。普通であれば、いよいよ2020 TOKYO Olympicのまさにその月ですが、その開催も来年に延期され、そして次の2024 Paris Olympicが決まっているために、2021 Olympicは正念場、肯定的に考える人もあれば、悲観的な人もいる。果たしてどうなることやら。20代、30代は感染しても死の恐怖はないと言われ、そのせいでないかもしれないが、若い人の感染者の報告が多い。ウイルスが勝つか、人の英知がそれを凌駕するか、今はせめぎあいが続いている。未来を担う小さな子供たちがそんな災禍に見舞われないためにも、より一層安心、安全と保育・教育活動の共存を目指して、保護者の皆様と協力し合って、様々な行事を進めてまいります。さて、私たちは生涯にいろいろな人に出会い、感動し、教えられ、心豊かになり、また反対に悲しい気持ちにさせられる事もあります。運命のいたずらと言うべきか、その出会いによって上昇のきっかけをつかみ、頂点にまで上り詰めた人もいれば、疫病神的な存在の人に出会い、感化され、悪の道に誘われ、身を亡ぼす人もいる。それが長く続く友情のきっかけになりえるし、反対に一期一会のように、生涯にただ一度まみえること、一生に一度限りである場合もある。それ故、一期一会を大切にと考えるのが本来の筋だが、概して旅の恥はかき捨て的な気持ちでやり過ごしている。その結果不本意な評価がどこからともなく聞こえ、戸惑い、不利益を被ることがある。最近マドンナ主演のエビータ「EVITA」のビデオを再び見る機会があった。第2次世界大戦中のアルゼンチンは何の影響も受けないどころか、反対に豊富な農産物を輸出して、莫大な富を蓄積した。その時に労働者階級の圧倒的な支援を受けて、大統領になったのがフアン・ペロンであった。一方エバ・ペロン(EVITA)はブエノスアイレスから遠く離れた田舎で私生児として育ち、15歳で野心と成功への夢を見ながら大都会へ無一文でやってきた。大きな声で言えないような様々な仕事や人間関係を通じて、次第に頭角を現し、ついにはペロン大統領と知り合い、結婚するようになった。詳細は映画の中で語られている。豊かな富を惜しげなく人々や戦争で疲弊した欧州や日本にまで差し出し、その人気は絶大であったが、若いころの無理がたたったのか、33歳で子宮がんでこの世を去った。彼女の葬儀には数十万人の市民が参列した。映画の中でも描かれているが、彼女のモットーは「負けを嫌って強いものになびく」又「鋼鉄のような強い意志を持っていても、それを包む肉体が朽ちていく」とも言った。当然と言えば当然、非情といえば非情であった。しかしどんなに栄華を極めようとも、どんなに人から好かれようともいつか人は朽ちていく。その諦観の中で古代ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスは次のように書いている。絶えず思うがいい、どれほど多くの医者たちが、病人の為にしばしば眉をひそめながらやがて自分も死んでいったか、どれほど多くの占い師が他人の死を何か大ごとのように予言しながら、死んでいったか、またどれほど多くの哲学者が死や不死について幾多議論を繰り広げながら自分たちも死んでいったか、またいかに多くの英雄が、多くの人を殺しながら死んでいき、どれほど多くの暴君があたかも自分は不死身であるかのように、恐ろしい傲慢さで他人の生命を左右しながら、自分も死んでいったか。またおよそ君の知っていた者を一人一人数えてみるがいい。一人が他の人を世話して、それから自分が参ってしまい、その人を第三の人が世話をする、これらすべてはちょっとの間のことだ。一言でいえば、人間的なことはいかにはかなく、つまらなく、そして昨日の小滴は今日はミイラか灰であることをいつも思え。かくてこの短い時間を自然に従って通り過ぎ、ちょうどイチジクが熟すると、産んでくれたものをほめ、養ってくれた木を感謝して落ちるように、おちついて旅路を終わるがいい。
一学期は8月7日まで、元気いっぱい夏を乗り切っていきましょう。

力を合わせて困難を克服しよう

2020.06.01


 2020年、6月、水無月、オリンピックイヤー。
青葉の季節となりました。目の覚めるような木々の緑です。そしてそろそろ海、山の恋しい頃になりました。本来ならば高らかにこの6月を称賛するこのような言葉が、何かむなしく、場違いな感を与えている。しかし考えによっては、この年は学校・園の臨時休園もあり、人々は自粛、自粛の掛け声で巣ごもり状態になり、オリンピックも延期された、私たちの短い一生の中での忘れがたい年にもなりそうです。新型コロナウイルス、novel coronavirus , covid19, トランプ流に言えば、武漢ウイルス、なんと多くの人に死の恐怖心を植え付け、又実際に私たちから数えきれないくらいの尊い命を奪った憎い見えない敵、こんなに科学が進んでいるのに、解決策が見いだせないばかりか、第2、第3の波状攻撃を恐れている。消毒をし、マスクを身に着け、密を避ける努力をしても、一瞬のスキをついて私たちに忍び寄ってくる。今月になって、というより、暑くなって、インフルエンザと同じく終息の兆しが見えたとはいえ、まだまだ心の奥底から喜ぶ気にはなれない。ましてや生まれてまだわずかな期間しか私たちの仲間になっていない、十分にものを言ったり、考えたりすることができない幼子たちのストレスはいかほどだろうか。将来の成長の妨げにならないか、私たちは十分な注意と配慮をもって、教育、保育活動に当たらねばならない。その意味で、幼稚園、こども園の存在意義をいくら強調しても、しすぎることはないと考えます。子どもたちがそれぞれの年齢の通過点を今までと同じ成長を見られるように、教職員一同寸暇を惜しまずに支えていきます。そしてそれが保護者の皆様の不安や心配の種を取り除くことができれば、本当にうれしい限りです。私たちはスタートアップの助走期間をかなりの日数過ごしてまいりました。お子様も幼稚園、こども園に慣れていただいたと思います。いよいよ従来の通常保育・教育活動が始まりますが、一学期に計画していた行事や参観などのすべてが実現できるわけでもありません。コロナのせいでと言われないように、充実した代替プログラムを組んでいきます。保護者の皆様の熱い思いとご支援、お力添えを受けて、力強く進んでまいります。皆様の期待に十分こたえることができると思っています。私たちの幼稚園の強みは何といっても先生であり、職員であり、運転手や車掌さん、そのほかの縁の下の力持ちの職員の皆さんです。力を合わせれば解決できないことはないと確信しています。どうぞ皆様方と力を一つにして、今の困難な状態からV字回復を果たしていきましょう。もちろん幼稚園だけでなく、皆様のご家庭も、会社も、お店も限りなく明るい未来に向かって一歩を進めましょう。6月は紫陽花の月でもあります。子どもたちには紫陽花の花の種類や色の変化を知ってもらったらと思います。しかし何といっても6月は梅雨の季節、しとしとと降る長雨、バケツをひっくり返したような大雨、小雨や小ぬか雨、霧雨の少しロマンの匂いがする雨、そして私たちに迫りくる洪水、災害、その危険性についても子供たちに知ってもらうことが必要ですが、水は私たちの体の70%を占める重要な物質であり、今月に始まる田植えには欠かすことができないものです。しかし水の事故は致命的になることが多い。そんな水のいいところ、怖いところを十分にこの6月の中で知識を共有していきたい。リンゴやイチゴから始まった果物も今はビワを超えて、サクランボの時、美しい花を咲かせるソメイヨシノの桜と違う別の種類の桜の木から生まれることも教えてあげたい。お百姓さんが一生懸命作った畑では5月に新玉ねぎを収穫しました。今月はジャガイモ(私の小さい頃は二度取れるから、ニドイモと呼んでいた)の収穫、さつまいもとジャガイモの違いも教えてあげたい。先生は意欲満々、知識旺盛です。さあ、明るい笑顔を絶やさないで、旅立ちの始まりです。保護者の皆様には、いろいろ至らない点があったこと、又ご不便やご心配をおかけしたこと、心よりお詫び申し上げます。これからも子どもたちの成長・発達を楽しみに進んでまいります。今後ともご支援、お力添え賜りますようお願いいたします。

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