歴史に学ぶ
2020.05.01

100年に一度、天は私達に試練を与えるのだろうか。1929年の大恐慌の前、第一次世界大戦の時のアメリカの町の壁には、スペインかぜ・インフルエンザの注意すべき要点のポスターが貼られていた。今の新型コロナ・ウィルスと同じ警戒の内容です。いくら科学技術が進歩し、月に行く、遠い天体の小惑星から砂を取ってくることができたとしても、目に見える敵を倒す武器はいろいろ開発され、実用化されているものの、新しい目に見えない敵にはほとんど無力で、対抗策がなく、事前にそのための準備ができない。本当に私達は21世紀の科学の時代に住んでいるのだろうか。それをあまねく享受しているのだろうか。100年前のスペイン風邪は何もスペインで発生したものではない。このスペイン風邪・インフルエンザで世界中では4000万から5000万人が死んだと言われ、日本でも40万人前後の人が命を落とした。その特徴は99%の死亡は65歳以下で、特に15~35歳の健康な若年層に発生した。今と同じように、有効なワクチンがなく、人と人との距離を保ち、マスクを着ける。そして感染者は自分で広げないように、最大限の注意を払うことであり、その基本となるのは呼吸器衛生と咳エチケット(cough etiquette)であった。実際当時咳き込んだだけで、罰金等もあった。この文章は国立感染研究所のものから引用しているのですが、研究所によれば,スペイン風邪などを世界的に研究し、会議を行い、その結果「人の世界において流行する新型インフルエンザ・ウィルスが早ければ数年のうちに出現する」と警告がなされ、専門家の間では、「いつ来るかわからないが、いつかは必ず来る」が定説になって「もし来た場合には、大きな被害が予言されるにもかかわらず、準備が無ければ、社会が混乱するのみ」と結論付けていました。ヒトからヒトに容易に感染する新型インフルエンザが出現し、ひとたびそれが一定以上の人口の間で拡大を始めると、パンデミックを防ぐ確実な方法は現時点では知られておらず、ただ世界及び各地域で、国で、広がることを遅らせるという対策(国際間の移動制限、患者の早期発見と隔離、集会の延期等)をとるしかありません。新型インフルエンザの出現と流行は確実に抑えることのできない自然現象の一つとして捉えるべきでしょう。しかしながらヒトからヒトに容易に感染する新型インフルエンザが出現した場合でも、発生した地域を特定し、住民の移動制限とその地域内で抗ウィルス薬の一斉投与を早期に行うことで、パンデミックを止めるか或いはその拡大を遅らせることができる可能性があると2005年の研究報告は結んでいる。過去に事例があり、研究者が貴重な提言を多数しているにもかかわらず、どうしてこんなに拡大をし、大きな社会的困難を引き起こすようになったのか。医師,看護師、特に感染症の病院で日々獅子奮迅の活躍をしている医療従事者は自分が感染する危険と恐怖と戦いながら、患者のため、社会のために働いている。そしてそれに関連する様々な職種の人たちへの感謝はいくらあっても足りることはない。よく行く町の中華やさんの主人から携帯に電話があって、何事かと思って聞いてみると、「先生の息子さんは今ニューヨークですか」との質問。前に息子の1人は呼吸器外科の医者と言ったこととテレビでニューヨークの病院で新型コロナの治療に当たっている先生の名前が偶然宮下医師ということで連想したのだそうだ。それ程全ての人の中に新型コロナが大きな場所を占めている。今回大阪府や堺市の要請により、臨時休園中ですが、一年の一番いい今の季節、子ども達に味わって欲しいとの思いがいっぱいです。このコロナはすぐに完全には終息しないでしょう。しかし行政や感染症の専門家が大丈夫と言った暁には、今までの分を取り返すくらいの気構えで、子ども達と接し、保育環境作りに励みたい。先生方も休むことにはうんざりし、早く、早く子どもの顔を見たい、クラスを運営していきたいとの意欲にあふれています。どうかコロナ・ウィルスにお引取りを願って、寂しい園庭や保育室に明るい笑顔やワイワイガヤガヤの賑やかな声が戻ってくるのを切に願っています。この臨時休園中には、保護者の皆様から何かとご支援、お力添えを賜り、本当にありがとうございます。尽きせぬ感謝の思いでいっぱいです。
2020.05.01

100年に一度、天は私達に試練を与えるのだろうか。1929年の大恐慌の前、第一次世界大戦の時のアメリカの町の壁には、スペインかぜ・インフルエンザの注意すべき要点のポスターが貼られていた。今の新型コロナ・ウィルスと同じ警戒の内容です。いくら科学技術が進歩し、月に行く、遠い天体の小惑星から砂を取ってくることができたとしても、目に見える敵を倒す武器はいろいろ開発され、実用化されているものの、新しい目に見えない敵にはほとんど無力で、対抗策がなく、事前にそのための準備ができない。本当に私達は21世紀の科学の時代に住んでいるのだろうか。それをあまねく享受しているのだろうか。100年前のスペイン風邪は何もスペインで発生したものではない。このスペイン風邪・インフルエンザで世界中では4000万から5000万人が死んだと言われ、日本でも40万人前後の人が命を落とした。その特徴は99%の死亡は65歳以下で、特に15~35歳の健康な若年層に発生した。今と同じように、有効なワクチンがなく、人と人との距離を保ち、マスクを着ける。そして感染者は自分で広げないように、最大限の注意を払うことであり、その基本となるのは呼吸器衛生と咳エチケット(cough etiquette)であった。実際当時咳き込んだだけで、罰金等もあった。この文章は国立感染研究所のものから引用しているのですが、研究所によれば,スペイン風邪などを世界的に研究し、会議を行い、その結果「人の世界において流行する新型インフルエンザ・ウィルスが早ければ数年のうちに出現する」と警告がなされ、専門家の間では、「いつ来るかわからないが、いつかは必ず来る」が定説になって「もし来た場合には、大きな被害が予言されるにもかかわらず、準備が無ければ、社会が混乱するのみ」と結論付けていました。ヒトからヒトに容易に感染する新型インフルエンザが出現し、ひとたびそれが一定以上の人口の間で拡大を始めると、パンデミックを防ぐ確実な方法は現時点では知られておらず、ただ世界及び各地域で、国で、広がることを遅らせるという対策(国際間の移動制限、患者の早期発見と隔離、集会の延期等)をとるしかありません。新型インフルエンザの出現と流行は確実に抑えることのできない自然現象の一つとして捉えるべきでしょう。しかしながらヒトからヒトに容易に感染する新型インフルエンザが出現した場合でも、発生した地域を特定し、住民の移動制限とその地域内で抗ウィルス薬の一斉投与を早期に行うことで、パンデミックを止めるか或いはその拡大を遅らせることができる可能性があると2005年の研究報告は結んでいる。過去に事例があり、研究者が貴重な提言を多数しているにもかかわらず、どうしてこんなに拡大をし、大きな社会的困難を引き起こすようになったのか。医師,看護師、特に感染症の病院で日々獅子奮迅の活躍をしている医療従事者は自分が感染する危険と恐怖と戦いながら、患者のため、社会のために働いている。そしてそれに関連する様々な職種の人たちへの感謝はいくらあっても足りることはない。よく行く町の中華やさんの主人から携帯に電話があって、何事かと思って聞いてみると、「先生の息子さんは今ニューヨークですか」との質問。前に息子の1人は呼吸器外科の医者と言ったこととテレビでニューヨークの病院で新型コロナの治療に当たっている先生の名前が偶然宮下医師ということで連想したのだそうだ。それ程全ての人の中に新型コロナが大きな場所を占めている。今回大阪府や堺市の要請により、臨時休園中ですが、一年の一番いい今の季節、子ども達に味わって欲しいとの思いがいっぱいです。このコロナはすぐに完全には終息しないでしょう。しかし行政や感染症の専門家が大丈夫と言った暁には、今までの分を取り返すくらいの気構えで、子ども達と接し、保育環境作りに励みたい。先生方も休むことにはうんざりし、早く、早く子どもの顔を見たい、クラスを運営していきたいとの意欲にあふれています。どうかコロナ・ウィルスにお引取りを願って、寂しい園庭や保育室に明るい笑顔やワイワイガヤガヤの賑やかな声が戻ってくるのを切に願っています。この臨時休園中には、保護者の皆様から何かとご支援、お力添えを賜り、本当にありがとうございます。尽きせぬ感謝の思いでいっぱいです。
令和2年、2020年、4月、新しい始まりを迎えて
2020.04.01

淡い色の桜のつぼみが陽気と共に一気に膨らみ、開花する。一年で一番艶やかなこの季節、草花も、我も我もと競い合うかのように色々な色や形で私達を桃源郷の世界に誘惑する。今まで死んだふりをしていた大小さまざまな落葉樹も、これ見よがしに、化粧直しをし、着飾り、この一年の成長を約束し始める。地上で生活している人も、鳥と同じ高さで日々暮らしている人も、無意識のうちに、その小鳥達の鳴き声が何かしら「春が来た」と歓迎しているかのように声の質も艶っぽくなってきたことを感じている。池では水底から這い上がってきた魚達が喜びで飛び上がって、水面に波紋を広げている。スプリング、プランタン、プリマベラ、春がいつのまにか野を越え、山を横切って、私達の下にやってきた。生きとし生きるもの全てが生気にみなぎり、躍動感があふれています。こんな4月は入園、進級のうれしいときです。入園された皆様、ご入園おめでとうございます。これからは今までと違った仲間との世界、仲良く遊び、学び、楽しく過ごしましょう。進級された皆様、幼稚園では一つ上のお兄ちゃん、お姉ちゃんになりました。下のお友達には親切に、優しくお願いします。今まで以上に様々なことを経験し、知識を身につけて、大きく成長していきましょう。先生はそんな皆さんをじっと見守っています。なんでも疑問に感じたら、すぐに先生に打ち明けてください。きっと素晴らしい答えが見つかると思います。保護者の皆様、私達幼稚園と縁を繋いでいただき、本当にありがとうございます。皆様との固い絆を頼りに、皆様の信頼や今までの実績を裏切らないように、そして又皆さんの期待に充分応えることができますように、教職員一同身を引き締めて、幼児教育に邁進してまいります。3月の卒園式や修了式には保護者の皆さんに「よくやっていただいた」とお褒めの言葉をいただけるよう、私達に与えられた責務を果たしてまいります。どうぞご期待ください。
尚、今年は今までにないコロナウィルスによるパンデミック(世界的流行)に遭遇しています。いつか終息するであろうという楽観的な気持ちが先の見通せない不透明感をもって私達に降りかかってまいりました。そのために、3月の卒園式や修了式を行ったものの、長期間に渡って臨時休園や自主規制をせざるを得なくなりました。この文章を書いている3月末には4月の入園式を行うことを決めていますが、いつ新しい状況になるかもわかりません。世の中が混沌とした状態です。いつ如何なるときでも、危機意識を持ち、幼児の安全、安心を中心にして物事を進めてまいります。かけがえのない命、保護者の愛情を一身に受けて、慈しみ育てられた子ども達、なんとしても立派に成長して欲しい、その思いは私達に共通する願いです。令和2年、2020年、オリンピックは延期されたものの、この年が私たちや保護者の皆様にとって、素晴らしい、忘れがたい年になりますよう、一緒に力を合わせて行きましょう。よろしくお願いします。
最近読んだ至言
3月19日付けの日経新聞に掲載された花王の澤田社長の言葉。メリーズ躍進の貢献者 部下に接するとき「マイナスの部分は一切見ません。見てもどうしようもないからです。人の資産を最大化するにはプラスを伸ばすべきだと思っています。プラスを伸ばしてマイナスをなくせばいいと言われますが、両方できるはずがありません。マイナスを指摘するのは一番やってはいけないことです。人間誰しも得意、不得意があります。できるだけマイナスを言わずプラスのことを言い、プラスが伸びれば、マイナスはいつの間にかマイナスでなくなっていきます」又「いつも明るく頑張っていると言われることが多いですが、ストレスをためないのは切り替えがうまくできているからだと思います。寝る前に一日を振り返り、反省することもありますが、それはそれでいいかという考え方です」
参考にさせていただきたいと思います。
2020.04.01

淡い色の桜のつぼみが陽気と共に一気に膨らみ、開花する。一年で一番艶やかなこの季節、草花も、我も我もと競い合うかのように色々な色や形で私達を桃源郷の世界に誘惑する。今まで死んだふりをしていた大小さまざまな落葉樹も、これ見よがしに、化粧直しをし、着飾り、この一年の成長を約束し始める。地上で生活している人も、鳥と同じ高さで日々暮らしている人も、無意識のうちに、その小鳥達の鳴き声が何かしら「春が来た」と歓迎しているかのように声の質も艶っぽくなってきたことを感じている。池では水底から這い上がってきた魚達が喜びで飛び上がって、水面に波紋を広げている。スプリング、プランタン、プリマベラ、春がいつのまにか野を越え、山を横切って、私達の下にやってきた。生きとし生きるもの全てが生気にみなぎり、躍動感があふれています。こんな4月は入園、進級のうれしいときです。入園された皆様、ご入園おめでとうございます。これからは今までと違った仲間との世界、仲良く遊び、学び、楽しく過ごしましょう。進級された皆様、幼稚園では一つ上のお兄ちゃん、お姉ちゃんになりました。下のお友達には親切に、優しくお願いします。今まで以上に様々なことを経験し、知識を身につけて、大きく成長していきましょう。先生はそんな皆さんをじっと見守っています。なんでも疑問に感じたら、すぐに先生に打ち明けてください。きっと素晴らしい答えが見つかると思います。保護者の皆様、私達幼稚園と縁を繋いでいただき、本当にありがとうございます。皆様との固い絆を頼りに、皆様の信頼や今までの実績を裏切らないように、そして又皆さんの期待に充分応えることができますように、教職員一同身を引き締めて、幼児教育に邁進してまいります。3月の卒園式や修了式には保護者の皆さんに「よくやっていただいた」とお褒めの言葉をいただけるよう、私達に与えられた責務を果たしてまいります。どうぞご期待ください。
尚、今年は今までにないコロナウィルスによるパンデミック(世界的流行)に遭遇しています。いつか終息するであろうという楽観的な気持ちが先の見通せない不透明感をもって私達に降りかかってまいりました。そのために、3月の卒園式や修了式を行ったものの、長期間に渡って臨時休園や自主規制をせざるを得なくなりました。この文章を書いている3月末には4月の入園式を行うことを決めていますが、いつ新しい状況になるかもわかりません。世の中が混沌とした状態です。いつ如何なるときでも、危機意識を持ち、幼児の安全、安心を中心にして物事を進めてまいります。かけがえのない命、保護者の愛情を一身に受けて、慈しみ育てられた子ども達、なんとしても立派に成長して欲しい、その思いは私達に共通する願いです。令和2年、2020年、オリンピックは延期されたものの、この年が私たちや保護者の皆様にとって、素晴らしい、忘れがたい年になりますよう、一緒に力を合わせて行きましょう。よろしくお願いします。
最近読んだ至言
3月19日付けの日経新聞に掲載された花王の澤田社長の言葉。メリーズ躍進の貢献者 部下に接するとき「マイナスの部分は一切見ません。見てもどうしようもないからです。人の資産を最大化するにはプラスを伸ばすべきだと思っています。プラスを伸ばしてマイナスをなくせばいいと言われますが、両方できるはずがありません。マイナスを指摘するのは一番やってはいけないことです。人間誰しも得意、不得意があります。できるだけマイナスを言わずプラスのことを言い、プラスが伸びれば、マイナスはいつの間にかマイナスでなくなっていきます」又「いつも明るく頑張っていると言われることが多いですが、ストレスをためないのは切り替えがうまくできているからだと思います。寝る前に一日を振り返り、反省することもありますが、それはそれでいいかという考え方です」
参考にさせていただきたいと思います。
弥生3月、卒園と彼岸の季節
2020.03.01

心地よい香りに誘われて、鶯が飛来し、清涼な声で空気を震わせている。地上を見れば、寒暖に関係なく、季節を待ちわびたように、様々な草花が目覚め、今までの眠っていた遅れを取り戻すかのように、エネルギーを一気に放出して、精いっぱいの艶やかな姿に変身している。その姿、その色合いを見て、デザイナーはそれを模倣し、自然界から貴重な知識を吸収して、それに自分の才能を加味して、人間の世界に新たな興奮をもたらし、名声を勝ち得ていく。人は自然界とは決して離れることができない。というよりは自然界の大きな優しさに包まれ、その庇護のもとに生命体を維持している。人がこの世界の主役だと、おごり高ぶった考えはこの謙虚な世界ではありえない。薬品にしても自然界から習得したものが多いし、ある時に欧米の大きな薬品会社が、多民族と接触していない、未開発地域の部族から、そこに暮らす人々から採血して、研究に使ったと聞いたこともあった。自然は征服するもの、人間の自由にできるものという考えの持ち主には強力な鉄槌が下される。花を愛で、自然を愛し、自然の懐に抱かれ、自然に帰ってきてもいいよという呼びかけで自然に戻っていく。医学の進歩で多少の誤差があっても、自然界ではその輪廻が変わることはない。生き物すべての原理原則となっている。もう少しミクロの目で眺めてみると、いよいよ3月、日本独自の年度末、一年の終わり、そして彼岸の月。彼岸はよく此岸(現生)と対比して述べられている。人は此岸に今住んでいる。喜怒哀楽を感じ、生老病死の世界にどっぷりつかっている。恋をし、人を敬い、呪い、嫉妬し、栄華を極め、没落し、理不尽に憤り、人の親切に涙する。地位や名声や富に憧れる人もいれば、そんなものは一時的で、はかないものだと蔑視する人もいる。陽炎の世界を望む者もおれば、鶴・亀の世界、不老長寿に真剣に取り組む人もいる。あきらめの早い人もおれば、粘り強く生き抜く人もいる。そんな此岸に対して、彼岸は一種の観念の世界、別次元の世界、換言すれば、空想の翼に乗って自分の思い通りの世界を徘徊できる季節。現生の束縛を離れて、自由に羽ばたくことができる空想や理想の世界、そんな現実逃避の世界に遊ぶことができるのもこの彼岸の季節3月、理想郷の月。なぜ一年の終わりにしたかはわからないが、学業をする者にとっては社会に巣立つ季節、そして何事においても社会に変革をもたらすのは若者の力、今の屈曲した、汚濁と不信と不自由に満ちた此岸をその力で大きく改革しようとする強い意志と決意をもって人生を進んで欲しい。幼稚園から始まる長い長い学業の世界を終えて、今飛び立とうとする若者にとってはこの3月は夢と希望に満ち溢れた月、いつになってもこの日を忘れないでほしい。卒園する皆さん、卒園おめでとうございます。6年、日数にすると2000日弱、皆さんは体は小さくとも立派な人です。まだまだ大人の助けが必要です。しかし自分で見、自分で考え、自分で行動できる賢い人です。皆さんには素晴らしい未来があります。頑張ればそれが実現できる社会に住んでいます。「努力は決して人を裏切ることはない」私はこの言葉大好きです。今報われなくともいつかその成果が血となり、肉となって私たちにかえってきます。しかし同時に優しさも、人を許す寛大な気持ちも持ってください。今から大きな海原に飛び出します。健康に気を付けて、日本人であることの誇りをもって、自分の道をまい進しましょう。年少、年中組の皆さんは来年も幼稚園で楽しく素敵な時間を持ちましょう。その年齢でしかできないこともたくさん経験しましょう。先生はいつも皆さんの側にいて、皆さんを見守っています。さようなら皆さん、こんにちは皆さん、幼稚園で過ごしたこと、これから過ごすこと、誇りに思ってください。
2020.03.01

心地よい香りに誘われて、鶯が飛来し、清涼な声で空気を震わせている。地上を見れば、寒暖に関係なく、季節を待ちわびたように、様々な草花が目覚め、今までの眠っていた遅れを取り戻すかのように、エネルギーを一気に放出して、精いっぱいの艶やかな姿に変身している。その姿、その色合いを見て、デザイナーはそれを模倣し、自然界から貴重な知識を吸収して、それに自分の才能を加味して、人間の世界に新たな興奮をもたらし、名声を勝ち得ていく。人は自然界とは決して離れることができない。というよりは自然界の大きな優しさに包まれ、その庇護のもとに生命体を維持している。人がこの世界の主役だと、おごり高ぶった考えはこの謙虚な世界ではありえない。薬品にしても自然界から習得したものが多いし、ある時に欧米の大きな薬品会社が、多民族と接触していない、未開発地域の部族から、そこに暮らす人々から採血して、研究に使ったと聞いたこともあった。自然は征服するもの、人間の自由にできるものという考えの持ち主には強力な鉄槌が下される。花を愛で、自然を愛し、自然の懐に抱かれ、自然に帰ってきてもいいよという呼びかけで自然に戻っていく。医学の進歩で多少の誤差があっても、自然界ではその輪廻が変わることはない。生き物すべての原理原則となっている。もう少しミクロの目で眺めてみると、いよいよ3月、日本独自の年度末、一年の終わり、そして彼岸の月。彼岸はよく此岸(現生)と対比して述べられている。人は此岸に今住んでいる。喜怒哀楽を感じ、生老病死の世界にどっぷりつかっている。恋をし、人を敬い、呪い、嫉妬し、栄華を極め、没落し、理不尽に憤り、人の親切に涙する。地位や名声や富に憧れる人もいれば、そんなものは一時的で、はかないものだと蔑視する人もいる。陽炎の世界を望む者もおれば、鶴・亀の世界、不老長寿に真剣に取り組む人もいる。あきらめの早い人もおれば、粘り強く生き抜く人もいる。そんな此岸に対して、彼岸は一種の観念の世界、別次元の世界、換言すれば、空想の翼に乗って自分の思い通りの世界を徘徊できる季節。現生の束縛を離れて、自由に羽ばたくことができる空想や理想の世界、そんな現実逃避の世界に遊ぶことができるのもこの彼岸の季節3月、理想郷の月。なぜ一年の終わりにしたかはわからないが、学業をする者にとっては社会に巣立つ季節、そして何事においても社会に変革をもたらすのは若者の力、今の屈曲した、汚濁と不信と不自由に満ちた此岸をその力で大きく改革しようとする強い意志と決意をもって人生を進んで欲しい。幼稚園から始まる長い長い学業の世界を終えて、今飛び立とうとする若者にとってはこの3月は夢と希望に満ち溢れた月、いつになってもこの日を忘れないでほしい。卒園する皆さん、卒園おめでとうございます。6年、日数にすると2000日弱、皆さんは体は小さくとも立派な人です。まだまだ大人の助けが必要です。しかし自分で見、自分で考え、自分で行動できる賢い人です。皆さんには素晴らしい未来があります。頑張ればそれが実現できる社会に住んでいます。「努力は決して人を裏切ることはない」私はこの言葉大好きです。今報われなくともいつかその成果が血となり、肉となって私たちにかえってきます。しかし同時に優しさも、人を許す寛大な気持ちも持ってください。今から大きな海原に飛び出します。健康に気を付けて、日本人であることの誇りをもって、自分の道をまい進しましょう。年少、年中組の皆さんは来年も幼稚園で楽しく素敵な時間を持ちましょう。その年齢でしかできないこともたくさん経験しましょう。先生はいつも皆さんの側にいて、皆さんを見守っています。さようなら皆さん、こんにちは皆さん、幼稚園で過ごしたこと、これから過ごすこと、誇りに思ってください。